■目次

まえがき

【第一部】基調講演――松本サリン事件にみる報道の罪と 罰――河野義行

 事件発生直後から出始めた誤報/重ねられていく疑惑≠ニ強制捜査/警察の記者会見とマスコミの犯人視報道/サリン説と世論/気の進まない退院、そして メディア・スクラム/抗議の記者会見、任意の事情聴取、ポリグラフ試験/情報リークによる取調べ、切り違い尋問/自白の強要、証明主体のすり替え/弁護団 と連携した対警察対策、マスコミを使った対世論対策/マスコミによって犯人にされ、マスコミによって救われる/実名報道、匿名報道――マスコミと警察が協 力しあう態勢はできないのか

【第二部】パネルディスカッション――メディアは私たち を守れるでしょうか?――[パネリスト]杉原洋・梶山天・陶山賢治 [特別ゲスト]河野義行 [司会]木村朗

 なぜ犯人視報道に走ったのか――その要因と反省点/メディア・スクラムはなぜ起こるのか――質より量を重視する時代性/個人情報保護法の問題点とプライ バシー保護――実名か匿名か/匿名発表・実名発表とメディアへの影響/冤罪事件とマスメディア――志布志事件の調査報道をめぐって/ジャーナリズムに求め られている役割――メディア・リテラシーについて/必要な、メディア側の自助努力

【第三部】メディア・リテラシーの視点から―― 冤罪と報道被害の構図

「冤罪」を生む捜査と犯罪報道の落とし穴――情報操作とメディア・ リテラシー――木村 朗
 松本サリン事件の教訓とは何か――誰もが「冤罪」誤報の被害者・加害者になる危険性/志布志事件が提起した本質的な問題――「冤罪」事件の構図とメディ アの功罪を問う/冤罪と誤報による人権侵害の再発防止に向けて――メディア・リテラシーの意義

志布志事件と松本サリン事件から何を学ぶか――警察情報と報道の在 り方を考える――杉原 洋
 はじめに/警察情報というもの/松本サリン報道/支店長はなぜ死んだか/警察情報の相対化/読者の不信とメディア規制

「架空の事件」を作り上げた県警の異常な捜査――朝日新聞鹿児島総 局の調査報道――梶山 天
 はじめに/作り上げられた四回の買収会合/特定できなかった会合の日時/捜査幹部の暴走/強圧的取り調べ/でっちあげ/踏み字/揺れる端緒情報/対決/ 身内に甘い処分と狂った人生

弁護人から見た志布志事件の経緯と課題――適正な刑罰権の実現のた めに――野平康博
 はじめに/常軌を逸した数々の違法行為/現行制度では違法行為は防止できない――可視化は真相解明につながる/侵害された弁護人の秘密交通権/苦戦がつ づいた弁護人の法廷闘争/自白の任意性を容認した裁判所の無罪判決に疑問/被害者の精神的・肉体的・経済的被害をどう償うべきか

冤罪を生みだす世間≠ニいう名の私たちの加担――ハンセン病患者 隔離政策はなぜ存続したのか――陶山賢治
 はじめに/六〇年以上温存されてきた絶対隔離政策/ドキュメンタリー「人間として〜ハンセン病訴訟原告たちの闘い」の構図/排除の論理に加担している 「世間」という名の私たち

権力による「幻想」=「物語」の形成とメディアの役割――チョムス キーの視点を通して――竹内勝徳
 国民投票法とメディア/チョムスキーによる「民主主義」解釈/アメリカにおける「幻想」=「物語」の政治的活用/チョムスキーのメディア批判/おわりに

●あとがき



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