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パリ発チモール行き ヌサトゥンガラ島々紀行 『朝日新聞』(2006年3月5日「読書面」) 評者:小沼純一(文芸評論家) よく知られたインドネシアはバリ島。その隣、ロンボク島から東につらなる島々がヌサトゥンガラだ。 生き方も考え方も食べる物もそれぞれに違う島々を、映像ジャーナリストの著者は、とまどいながらも愛し、四半世紀にわたるつきあいをつづけてきた。 近代化という西洋化を進めてきた日本、その日本の高度成長のなかで育ってきた自らを二重写しにしながら、島々の変化と将来を想《おも》い描く。コモド島 は世界自然遺産に登録され、オオトカゲの餌づけが禁止されて定期船が立ち寄らなくなった。二十世紀末に東西に分裂したティモールは、植民地時代から島中の 白檀《びゃくだん》を取り尽くされた。 世界中どこでも、ひとがおなじ欲望を抱くようになるグローパリズムがすぐそこまで来ている。それは、テレビというメディア、著者の携わる仕事と大きくつ ながっている。著者のアンビヴァレントなおもいが島々の景色のなか、持続低音のように、ある。 ●本書の内容を見る 『ヌサトゥンガラ島々紀行』 ●読者意見を見る こちら |
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ヌサトゥンガラ島々紀行 『日本経済新聞』(2006年1月29日「読書」欄) ヌサトゥンガラはインドネシアと豪州の間に鎖のように並ぶ島々で、日本人には東南アジアで最も縁の薄い地域の一つだろう。本書はオオトカゲや奇祭などの エピソードに触れつつも、人々が日本と価値基準の違う社会で優しく暮らす実態を歴史も交え淡々と描いている。スマトラ島アチェ州の津波災害救援で援助国が 困ったのは現地情報の不足である。普段着の生活を知らないと経済援助も空回りする。東南アジアの遠隔地理解に資する著だろう。 ●本書の内容を見る 『ヌサトゥンガラ島々紀行』 ●読者意見を見る こちら |
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