台湾事始め・書評


恋するアジア』最終号(第 50号)
●「Book」

『台湾事始め ゆとりのくにのキーワード』
亜洲奈みずほ・著

 この本は著者の最高傑作である。台湾について、茶園や夜市や先住民音楽など、さまざまなキーワードを立てて説明している本なのだが、読んでみればわかる が、これは諸事の解説本なのではなく、著者の留学体験と恋体験を綴った青春の物語なのである。解説部分がおろそかになっている、ということではなく、それ はそれでちゃんと書いているが、随所で、著者は台湾の地で経験した甘酸っぱい恋の情景を語っている。新光摩天楼で、「彼氏とともに、あの展望台をおとずれ たとき、じつはガラス張りの燦然たる夜景よりも、むしろ黒い窓にうつる彼の姿ばかりを見つめていたような気が」著者はしたのである。この彼氏はあちこちで 登場するが、そうした記述はこの本のマイナスにはなっていない。なぜなら、台湾とは、どこか心を甘く痺れさせる、遠くに置いてきた恋人のように感じられる 地だからである。解説だけの書より、この本は強く台湾について語っており、著者も、他の本に比べると、文体は実にのびやかである。巻末には著者お気に入り の食堂などの地図も載っており、訪ねてみたくなる。

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 台湾事始め


出版ニュース』6月上旬号
●「ブックガイド」

『台湾事始め ゆとりのくにのキーワード』
亜洲奈みずほ・著

 〈世界で最も日本人に優しい土地。「夜市」には屋台料理の味があふれ、都市には熱帯樹の花や緑が絶えることがない。精神的にも、また経済的にも、余裕に あふれた国〉台湾の魅力を初心者にも分かりやすくキーワード別に解説したガイド。お茶の種類、足裏マッサージや漢方、温泉などの健康関係、散歩コース、占 いや参拝、毎晩が夏祭りといった趣の名物・夜市、屋台で味わえるグルメの数々、愛玉ゼリーからかき氷まで人気のデザート、みやげ自慢、名産のバナナやマン ゴー、風物詩として見逃せない水牛、大河、美麗島、マングローブ、タイワンヒノキ、陽明山など、伝統工芸から現代アート、台湾の人々と気質、各町の見どこ ろ、交通システム、日帰りのおすすめコースが、119のキーワードに整理されている。2001年に刊行されたものに追加取材で最新情報も加わり、既成のガ イドとはひと味違う、台湾をこよなく愛する文章が読ませる。(B6判・316頁・1800円・凱風社)

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 台湾事始め


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